[処方箋]
エナジア吸入用カプセル高用量
1回1カプセル(1日1カプセル)
1日1回 就寝前 14日
吸入デバイスとして「ブリーズヘラー」が交付された。
薬歴によると、
これまでシムビコート(一般名ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物)が1回4吸入、1日2回で処方されていた。
Q1 エナジア(一般名インダカテロール酢酸塩・グリコピロニウム臭化物・モメタゾンフランカルボン酸エステル)に関する記述。
A1
(1)国内初の3成分配合喘息治療薬である
(4)規格は、吸入ステロイドの量の違いで2規格がある
Q2 専用吸入器具であるブリーズヘラーの取り扱いについて
A2
(3)吸入後、カプセルに粉が残っていたので、その場で再度吸入した
(4)カプセルのシートからの取り出しは、毎回、吸入直前に行う
気管支喘息診療は、
「アレルギー総合ガイドライン2019」
に示された長期管理の治療
ステップ1
(吸入ステロイド[ICS]低用量を基本とする)
の患者の45%、
ステップ4
(ICS高用量を基本とし、長時間作用性β2刺激薬[LABA]など複数を併用)
の患者に至っては89%が、
治療中にもかかわらず、
症状のコントロールが不十分と報告されています。
「喘息予防・管理ガイドライン2018」では、
治療ステップ3から4に該当する、
中用量または高用量のLABAとICSの投与でも
コントロールが不十分な患者に対し、
長時間作用性抗コリン薬(LAMA)を
追加治療薬の1つとして推奨している。
しかし、
これまで喘息の適応があり、
これら3成分を配合した吸入薬はなく、
複数の吸入薬の使用は
服薬アドヒアランスの低下や
吸入手技の不良につながり、
喘息管理を難しくしていた。
実際、複数の吸入薬を単一吸入器に変更し、
治療効果が向上したとの報告があります。
エナジア
(一般名インダカテロール酢酸塩・グリコピロニウム臭化物・モメタゾンフランカルボン酸エステル)は、2020年8月に発売された
日本初のLABA/LAMA/ICS固定用量配合の
気管支喘息治療薬である。
エナジアには
中用量および高用量の2規格があり、
モメタゾンフランカルボン酸エステルの配合量が
それぞれ80μgと160μgで、
症状に応じてICSの量を調整できる。
3成分配合吸入薬としては、
テリルジー(フルチカゾンフランカルボン酸エステル・ウメクリジニウム臭化物・ビランテロールトリフェニル酢酸塩)、
ビレーズトリ(ブデソニド・グリコピロニウム臭化物・ホルモテロールフマル酸塩水和物)が
既に発売されているが、
喘息の適応はない。
エナジアの吸入器具であるブリーズヘラーは、
患者が吸入できたか確認しやすいよう工夫されている。
まず、
使用する1カプセル分をシートから切り離して、
取り出す。
薬剤は吸湿性があるため、
この作業は吸入の直前に行う。
次にブリーズヘラーにカプセルを充填し、
カプセルに穴を開けるために
両脇の緑色のボタンを1回、押して離す。
通常、吸入時には「カラカラ」という
カプセルの回転音が鳴る。
音が鳴らない場合はカプセルが
充填部に詰まっている可能性があるので、
吸入器を軽く振ったり弾いたりしてから
再度吸入する。
特に冬場は、静電気で吸入器とカプセルが
貼り付く場合があるので注意したい。
吸入後はカプセル充填部を確認し、
薬が残っていたらすぐに再吸入する。
空になったカプセルは
吸入器具から取り出しておくよう伝える。
【服薬指導】
今回処方された吸入薬は、
3つの成分を含む新しい薬で、
専用の吸入器具を使って一度に吸入できます。
毎回、吸入する直前に
1カプセル分をシートから切り離してから、
シートを剥がしてカプセルを取り出し、
吸入器に充填します。
その後、必ず両脇の緑色のボタンを1回押して、
カプセルに穴を開けてから吸入してください。
正しく吸入できていれば「カラカラ」という
カプセルの回転音がします。
音がしない場合は、
薬を十分に吸入できていない可能性があるので、
吸入器を軽く振ったり弾いたりしてから
再度吸入してください。